2016/06/19

2016年上半期VOCALOID5選

今年のボカロが楽しすぎるので、思わず上半期10選を……と思ったんだけど、そんなに曲数聴いてないから5選で。
いつものことながら、「私自身が好きな曲、印象に残った曲」という基準で選んでるので、あしからず。
では早速、公開日時順にご紹介。

1. きくお/"のぼれ!すすめ!高い塔"(1/22)



年初から大ヒット作の続いた今年の、最初のマイヒットがこれ。いわゆる「指揮を振りたくなる曲」枠。
きくおさんってクラシックの素養のある方なんだろうなー、展開のダイナミクスと楽器の使い方が抜群に上手い。
歌詞も結構好き。どこかで聞いたことのあるような、ちょっぴりコワいループのお話。


2. Orangestar/"Alice in 冷凍庫"(2/17)



歌の中の歌。今年の曲で一番「歌」というものを意識させられた曲。
本作はとにかくオケが薄味で、最小限のビートとハーモニーしか用意されていない。
オケだけではあまりに無味乾燥であり、ゆえにごまかしの効かない「歌そのものを聴かせる曲」に仕上がっている。
そんな曲を歌っているのが、歌を数千年間独占し続けてきた人間ではなく、合成音声のシンガーなのだ。これがセンセーショナルでないわけがない。
「歌ってみろ」とIAが言っている。これはIAから人類への挑戦状なのだ――。
そう思うと、このシンプルな歌に底なしのオーラを感じてしまう。


3. くらげP/"チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!"(2/22)



皆さんご存じ、今年上半期の私的最高金賞作品。
この作品は、何年ぶりだか思い出せないほど久しぶりに、「楽しい!」って思わせられた動画なのだわ。
音楽面、デザイン面、イラスト面といずれも鮮やかなコントラストで、よく出来てるなあと感心する。
しかしなんと言っても、この作品で最高なのは「ご唱和」なんだよね。
参加してなんぼのエンターテイメント動画、一緒にコメントをする楽しさこそ本作の神髄と言っても過言ではない。
とにかく動画を開いてコメの準備をしてみよう。さー、さー、密告だ!


4. 碧華/"そばかす"(3/30)



最近の私の10選では欠かせない存在となった、UTAU枠。
全くもって、今のUTAUの性能は目をみはるものがある。息を呑むような生々しさという点では、もはやどんなVOCALOIDも全く太刀打ちできないだろう。
今年は「Cynic」のヒットもあったので、普段UTAUを聴かない人にもそれが知れ渡ったはず(レンリだけがずば抜けてると思ったら大間違いだよ)。
本作もそういうUTAU神調教作品の一つで、もう笑っちゃうほどの情報量。
その上で「ほらほら、すごいでしょ? ね? ね?」みたいなわざとらしさがなくて、のびのび歌ってる感じがとても素敵。
数あるUTAU神調教作品の中でこれを選出した最大の理由が、この自然体な歌唱なのだわ。


5. ナユタン星人/"エイリアンエイリアン"(4/5)



ヒットソング枠。
まあ、他の選曲もわりとヒットソングばかりだけど、本作は投稿予告から知ってて、かつ期待以上だったからということで。
ナユタン星人さんって世間の評判ほど好きではなかったのだけれど、本作には惚れたねえ。
キャッチーで雑味がなくて、今までのナユタンさんとは一線を画す出来。デザインの良さもさすが。


以下あとがき。

いやあ、笑っちゃうくらいメジャー作品ばかりになった。
実はノミネート段階では埋もれ気味の傑作もそこそこあったんだけど、絞った時にみんな落としてしまった。
メジャーだからって理由で選んだわけじゃないけど、今年はメインストリームがめちゃくちゃ面白いので、結果的に印象に残りやすかったのでしょう。
しかし、上半期5選やった場合って、年末の10選はどういうルールにすればいいのかね。悩みそう……。